対談
アシロは2009年創業の会社ですが、現在は法律メディアの認知度も高まり、2021年に上場も果たしました。
しかしそれまでには様々な紆余曲折がありました。
本日はアシロ黎明期のメンバーである丸田さんと、弁護士ナビ成長の立役者と言える岡さんに対談をしてもらいました!
アシロと弁護士ナビの生き字引ともいえるお二人から、どんなお話が聞けるのでしょうか。
Q,まずは自己紹介をお願いします
丸田泰広さん
丸田泰広です。
大学4年のインターン時期からなので、厳密には2010年10月からインターンとして入り、2011年4月の大学卒業後にアシロへ新卒として入社しました。
最初の2年間は営業をして、その後は社外に飛び出していた少し空白の期間があります。
岡隆行さん
(笑)
丸田泰広さん
紆余曲折を経てアシロへ戻り、ウェブマーケティングを担当した後、現在は出資先であるカイラス少額短期保険に出向して、ウェブマーケティングや商品開発を担当しています。
岡隆行さん
岡隆行です。
入社はたしか、2015年の4月…?
丸田泰広さん
それくらいだと思います(笑)
岡隆行さん
元々、某大手アパレルブランドで販売員をやっていたんですが、アシロへ入る前にちょっとブラックなWebプロモーション会社に営業として転職した際に、1週間でマーケティングに飛ばされて、ライティングを学び始めることになりました(笑)。
次第にコンテンツSEOが流行り始めて色々と勉強をして、このタイミングで転職したいなと考えて転職サイトを利用してアシロへ応募し、丸田さんに面接してもらって入社することになりました。
まずは弁護士ナビのコラムのライターをしていて、4年目あたりでライターの増員をきっかけにコンテンツチームのリーダーポジションをやらせてもらうことになりました。
2019年10月頃に、転職のメディアが立ち上がって軌道に乗ってきた頃から、弁護士向けの転職支援サービスをする子会社のtrientへ移り、その後trientがアシロに吸収合併され、現在はアシロに戻ってHR事業部のマーケティング責任者をやらせてもらっています。
Q,丸田さん、弁護士ナビの開始まではどのような事業があったんですか?
丸田泰広さん
営業代行みたいな事業をやっていました。
アポをとりたい企業の支援として、アシロがテレアポをして商談のアポを取り付ける形ですね。
岡隆行さん
どのくらいの期間やってたんですか?
Q,岡さん、弁護士ナビ立ち上げ時のアシロはどんな感じでしたか?
岡隆行さん
入社当時のオフィスは、いま使用している会議室ほどもない、15畳あるかどうかの雑居ビルで、ひとつのトイレを取り合わざるを得ない環境でした(笑)。
丸田泰広さん
女性が一番嫌がるやつですね。。
岡隆行さん
そういうタイミングではありましたが、雰囲気としては既に収益化は出来ていたので、明日1件決めないとヤバいといった感じではなかったはずです。
とはいえ弁護士ナビにコラムが存在していなかった時期ですので、誰かがライターをやらないといけないという事で、私が担当することになりました。
やりがいを強く感じましたね、俺が育てるんだという感じで(笑)。
丸田泰広さん
(笑)。
当時、1日で3〜4本も記事を書いていませんでしたか?
岡隆行さん
「コンテンツSEO、1本でやってやる!」という感じで入社したんですが、そこまで知識や経験があるわけでもないので、最初は1日1本書けるかどうかみたいな感じでした。
そもそも交通事故の法律って何ですか?みたいなところの勉強から入って、四苦八苦して、何とか1日1本書けるようになると、スタートアップ企業の感じがにじみ出てくるんですよ(笑)。
「1本書けたなら2本いけるでしょ!」「2本書けたなら3本いけるんじゃない?」「3本?足りないな4本だ!」みたいな感じで、結果として3〜4本書くみたいなことも当時はありました。
丸田泰広さん
ですよね。今まででの1日の最高執筆本数って、何本でした?
岡隆行さん
5本ですね。
あれはもうやりたくないです(笑)。
丸田泰広さん
ですよね。
だって5本の記録って、たぶん誰も破ってないんじゃないですか?僕が知る限りはいないです(笑)。
岡隆行さん
多分いないですよね(笑)。
Q,その後は弁護士ナビが順調に伸びたんですか?
丸田泰広さん
コンテンツSEOを開始して閲覧されるようにはなったんですが、問い合わせの数は全然伸びていないという状況がありました。
「閲覧はされるようになってるけど、問い合わせが増えていないと意味がないのでは?」と問題意識を持ち始めて、コラム内の導線やサイト全体の構造などに工夫を凝らすようになりました。
それがきっかけで、コラム経由の問い合わせ数が順調に増えるようになりました。
お二人がアシロに入社してから一番辛かったり、危機感を持ったことって何ですか?
岡隆行さん
私が入社した2015年頃には、ベンチャー界隈でよく聞く「潰れるかも」という時期は過ぎていて、軌道に乗り出してここから更に加速していこうという段階だったかなと思います。
丸田泰広さん
私も、辛いとかこれは危険だということはあまり感じたことがないんです。
強いて挙げるなら、まだ中山社長と現執行役員の河原さんの3人体制だった時代に、急に中山さんから、「会社の預金残高いくらあると思う?」と聞かれて、僕は「100万くらいですかね?」と言ったら
…
…
「5万」
一同笑
丸田泰広さん
それを楽しそうに言うので、本当はヤバいはずなんですが、何とかなるだろうという感覚でした(笑)。
岡隆行さん
震えるなぁ(笑)。
丸田泰広さん
補足しておくと、ちょうど支払うべきお金を支払って、売上入金の目処は立っていたので一番残高が少ないタイミングで、どこかへご迷惑をお掛けしていた状態ではなかったですよ(笑)。
Q,それって創業して、どれくらいのタイミングですか?
丸田泰広さん
恐らく創業から2年ほど経った2011年頃だったと思います。
あと辛かったというか、ハードシングスみたいなこととしては、あるお客様から、「広告効果が全然出ていない」とお叱りを受けたことがありました。
私はマーケティング担当として、営業担当と一緒にお客様の事務所に訪問しました。
まずは営業担当から説明する流れのはずだったんですが、横を見ると、「頭の中が真っ白です」みたいな顔をしていて…。
丸田泰広さん
そこで、「あ、これはもう自分が対応するしかない状況だ」と腹をくくりました。
発生していた問い合わせと、お客様が希望している問い合わせの内容の食い違いにご不満の原因があるかもしれないと考えて、改めてその場で丁寧にヒアリングをした所、お客様の志向性と訴求内容にやはりズレがあった為、それらを修正する提案をしてご納得いただけたことがあります。
幸いなことにその後は広告効果をきちんと出すことができ、それから長期に渡って掲載いただいています。この時に、お客様の為に課題から逃げずに向き合うマインドが身につきました。
僕の中では結構大きな成功体験となっていて、この1件を経て、少しのことでは動揺しなくなったかもしれません。
岡隆行さん
なるほどなぁ。
丸田泰広さん
岡さんの業務でいえば、2016年頃にGoogleが非常に大きな検索アルゴリズム変更を行った時はハードではなかったですか?
岡隆行さん
確かに!特に、情報の信頼性が重要視されるようになったこともあり、必ず弁護士に全ての記事をチェックしてもらって、ダブルチェック、トリプルチェックを重ねて公開するようになりました。
ただそれ以前の、既に200本ほど掲載されている記事を改めて見るのか、、、という感じで大変だった記憶はあります。
丸田泰広さん
そこからより一層、情報の信頼性やユーザーに有益かどうかにこだわるようになり、必要な変化だったとは思います。
岡隆行さん
あと個人的には、本を読むことが辛かったかもしれないです。
丸田泰広さん
文字を書くのは好きなのに?
岡隆行さん
書くのは好きですが、特に相続の分野は身近でもないので、「何を言ってるんだ?」という感覚でした。
とはいえ、きちんとした知識を持たない人がコラムを書いても伝わらないので、書籍を読み込んだり弁護士に教えてもらい、知識を得るように努力しました。
丸田泰広さん
確かに、遺留分減殺請求はゲンサツじゃなくてゲンサイって読むのねみたいな。
岡隆行さん
あと法改正もありますので、民法はそこまでの頻度ではありませんが、頻繁に変わる分野もあります。
修正対象の記事が50本もあるんだけど…みたいな時もありました。
丸田泰広さん
さっきの例で言うと、遺留分減殺請求は今は名称変わっていますよね。
岡隆行さん
そうですね、現在は遺留分侵害額請求という呼び方になっています。
当時、法律事務所のネット上の記事も信憑性に欠けることがあったので、専門家の解説も1度は疑ってかかっていました。
丸田泰広さん
その積み重ねがあるからこそ、弁護士の方からも、「調べ物で弁護士ナビを参考にすることがあるよ」と言っていただくことがありますよね(笑)。
岡隆行さん
確かに(笑)。
丸田泰広さん
弁護士はカバーする領域が広い分、パッと思い出せないこともあるみたいで、弁護士ナビを見て思い出して、回答することもあるらしいです。
岡隆行さん
嬉しいですよね。営業とは違って、マーケティング担当は弁護士の方と直接やりとりする機会は少ないんですが、「あの記事良いですね」と言ってもらえるのはモチベーションの一つです。
丸田泰広さん
法律のプロに、参考にしていると言われるとやはり嬉しいですよね。
Q,黎明期メンバーから見る、アシロの「昔との違い」と、「今も残るもの」とは
丸田泰広さん
僕は本当に、変わったことのほうが多いですね。
ほぼ変わったと言うか、黎明期の会社は赤ちゃんのような状況なので、規程だったりルールだったりは整っていませんでした。自由ではありましたが、無秩序な中で野武士が戦ってるみたいな…。
それが上場を目指すために管理部門ができて、ルールが整備されていって、熟成してきて本当に多くのことが変わりました。
それでもなお、変わらないと思うことは、お客様を最も大事に考えているという部分です。
中山社長が創業時も現在も、「お客様が一番大事」という価値観は一貫してブレずにいるので、ここはアシロの不変な部分です。
今後も変わらない価値観だと思いますし、変わってはいけないと思っています。
岡隆行さん
同感です。あともう一つ、変わらないと思うことがあって、私が入ったのは社員3名、インターン1名の時期でしたが、大きくなって60名以上に増員された現在も、結果に対するこだわりや責任感は変わっていないと思います。
偏った見方ですが、若い子はすぐに辞めたり、諦めたりするとよく言われますが、アシロの若手ではそういうことはない気がしてます。
採用が上手くいってるんだろうし、中山さんの言葉や想いが浸透していると感じます。
丸田泰広さん
確かに。新卒で入ってきた子も、目標を連続で達成して全社MVPになったりしていますね。
岡隆行さん
会社の見せ方としては、こういう雰囲気はあまり流行らないですよね。
最近はもっとシュッとして、要領よく仕事してみたいな。
でもそういう中で、結果に対するこだわりに共感して入ってきてくれているというのは古参としては嬉しく感じます。
Q,どんな人に応募してほしいですか?
丸田泰広さん
先ほどの価値観と重複しますが、お客様ファーストというか、我々を応援してくれる人や我々に価値を感じて仕事を任せてくれる方など、関わってくださった人を幸せにしたいという想いがある人が良いなと思います。
人によって働くモチベーションは様々ですし、個人の考え方は尊重されるべきですが、アシロのメンバーには共通してそういう思いがあると良いなと思っています。
岡隆行さん
私も、成果にこだわることが当たり前という人が良いなというのと、物怖じせずに何でも言ってくれる人が良いですね。
上司だからとか、同期だからとかを気にせず、ちゃんと手を上げて、言うべきことを言える人です。やはりベンチャー企業に入るって、そういうことだと思うので。
あと人生で大きな失敗の経験がある人も良いですね。何度でもやり直せるので。
これも時代に逆行した考えかもしれませんが、めちゃくちゃな働き方は多分20代しかできないので、そういう経験をした人は強いなと思います。
丸田泰広さん
これから新しく社会人になる人で、寝る時間を惜しんでも働きたいという人は大変だと思います。
アシロも残業が多くならないように気を配っていますし…「でも働きたいんだ!」という状況も生まれるかもしれないので難しい時代だと思っています。
Q,どんな性格の人がアシロに向いてると思いますか?
丸田泰広さん
結果に貪欲な人は非常に向いていると思います。
成果が出ればフラットに評価されますし、速やかに昇給や役職にも反映されます。
リーガルメディアの営業責任者は、2代続けて新卒2年目が務めています。
岡隆行さん
やりたいことがある人も良いかもしれません。計画が十分なものなら、それを支援する体制がありますので。
何なら、「こういうアイデアがあるんですけど」と恐る恐る手を上げると、「やろうやろう、今すぐやろう!」という流れになることがあります(笑)。
丸田泰広さん
独立志向が高い人は向いていると思いますね。退職した人で、独立した人も何人もいます。
岡隆行さん
その後、また戻ってくる人もいますしね。
アシロへの応募に興味がある方へのメッセージ
岡隆行さん
興味があれば、一度面接に来ていただくのがいいと思います!
ほとんどの人は弁護士への営業や、弁護士業界のマーケティングなんてやったことがないはずですので、未経験の方も歓迎する文化です!
未経験の状態は、不安8割・期待2割だと思うんですが、その2割が大事だと思っています。
丸田泰広さん
今は黎明期ほどカオスな状況ではありませんが、一般の企業と比べるとまさにベンチャー企業で、裁量を広げたりポジションを狙う機会が潤沢にありますので、ハングリー精神のある方にはアシロはおすすめです。
「成長したい」「何か事業を立ち上げたい」「やりきりたい」という方に是非応募してもらいたいです!
編集後記
丸田さん、岡さん、対談のお時間をいただきありがとうございました。
中々聞けない貴重な話を伺えて、アシロのカルチャーや歴史について少し学べた気がします!
また創業以来変わらないことについて伺えたことで、アシロという企業の根幹にある大切なものを知ることができました。
アシロの思いに共感いただけた方は、是非ご応募ください。
皆さんにお会いできることを、楽しみにしています!